2006年06月11日
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人間の集団について − ベトナムから考える 後編



人間の集団について―ベトナムから考える人間の集団について―ベトナムから考える

ベトナムを知るための読書の第三弾の前編につづく後編。

ベトナムはインドシナ半島にある。
「インドシナ」という単語。
今まで、まったく気づかなかったが、「インド+シナ」である。
著者によれば、インド文明と中国文明を受容してきた国がそれぞれあるからインドシナになったというのは多分にありえると書いてあったが、はっとした。
言われてみれば当たり前のことが言われるまでまったく気づかなかった。
たしかにそうである。
カンボジアやラオスはインド文明、ベトナムは中国文明と二つのことなる文明、文化がインドシナには混在している。

ベトナム戦争というか南ベトナムについて著者は皮肉を込めて描写している。

「われわれは米国その他の諸外国へよりいっそうの援助を要請している」と、つねにサイゴン政権は言い続けている。外国からの金で、サイゴンを繁栄させる以外に民衆を共産主義から守る道はないのだとこの政権は言うのである。一にも繁栄、二にも繁栄であり、それも、日本で言えば、十三世紀程度の生産段階の農業国が、二十世紀後半の一大消費文明を南ベトナムに出現させるには、他国の金と技術による以外にない。その消費文明でもって民衆をなっとくさせ、そのなっとくを長城として共産主義をふせぐ以外にないのだ、という。 いかにも、ベトナム人らしい現実主義的反共論で、アメリカが持ち込んだ反共イデオロギーなどはあまり効用せず、「ここに現代文明を築け、それもあなたたちの金と技術でやってもらいたい。それが、共産化ぎらいのあなたたちの義務ではないか」という。

著者は本書の中で、産業革命に乗り遅れてしまった後進国がなんとか現代に仲間入りするには、共産主義かファシズムしかないというのは、ある一定以上の事実かと思う。
共産主義もファシズムも後進的貧困性の管理方式であるが、いい悪いのはなしではなく、やむをえないというのが現実ではないかとも思う。
著者は未成熟な経済社会であるベトナムにアメリカ型の資本主義を入れれば混乱するだけだろうと言っているが、結局、南ベトナムがなくなってしまったため検証できないが、ベトナム統一後の共産化、そしてドイモイ政策による経済開放政策と後進国が現代の仲間入りをする上での階段を着実にのぼって現代に至っているように思う。その意味で、当時1970年代には、ベトナムは共産主義化が適していたといえるのかもしれない。

21世紀を向かえ、同じ共産主義の中国と似たような道を歩んでいるが、先は明るいだろうか?
産業革命に乗り遅れてしまった後進国が、先進国と肩を並べるまたは追い越すという世界史上いまだ起こっていない現象がおこるのだろうか?はたまた、ソ連のように自壊してしまうのだろうか?



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