| 2006年09月26日 |
私家版・ユダヤ文化論
内田樹氏個人の知的関心に限定して書かれたユダヤ人論。
著者自身、ユダヤについて中立的で正確な知識を得たい場合は、別の書物に。と言っている。
ユダヤ人という定義は非常に難しい。
本書では「ユダヤ人は何でないのか」という消去法を唯一の基盤としている。
1.ユダヤ人というのは国民名ではない。
2.ユダヤ人は人種ではない。
3.ユダヤ人はユダヤ教徒のことではない。
個人的には現在、ユダヤ人と言っているのは、
・宗教的ユダヤ人 = ユダヤ教徒
・民族的ユダヤ人 = 親がユダヤ人の人
と定義すれば、「19世紀までの宗教的ユダヤ人を親にもつ民族的ユダヤ人」といえると思う。
これなら内田先生が定義する消去法もクリアする。
ユダヤに関する本を読むとほんとに頭が混乱する。
本書を読んでわかったことは、「ユダヤについてわかったという言説がさらにユダヤ問題を複雑にしている」ということだけだ。それ以外はわかったのか、わかっていないのかすらよくわからない。たぶんわかってないのだろう。
ユダヤ人は、反ユダヤ主義者だけでなく、パレスチナ問題にあるような20世紀にエルサレムに入植してきたユダヤ人とずっとエルサレムに住んできたユダヤ教徒(パレスチナ人に含まれる)を敵としているなど個人的にはよくわからない部分もある。ユダヤ人の内部にももちろんシオニズムを否定しイスラエルに親近感を覚えない人たちもいる。
何が問題で、どうすれば解決するのだろうか?
ユダヤについて考えると日韓問題や日中問題など取るに足らないことのように思えるのは私だけだろうか?またユダヤについてよくわからなくなってしまった。
「ヤバい経済学」についてのエントリーで以下のようなことを書いた。
重要なのは、「親が何をするか」ではなく、「親がどんな人か」という結論。
逆にいえば、ユダヤ人の優秀さというのは、親の世代が何をしてきたのか?何をされてきたのか?ということなのかもしれない。そういう意味で優秀さを担保しているのは「受難」ではないだろうか?
だからこそ、日猶同祖論では、日本人の優秀さを証明するための根拠としてユダヤ人の受難を利用した。そうかもしれない。
ユダヤはどこに行こうとしているのだろうか?
イスラエルは、パレスチナだけでなくレバノンへ。次はシリアか、ヨルダンか、それともイランか?レバノンが火種になって、第5次中東戦争になり、第二のオイルショックで世界経済減速、第三次世界大戦というのはやめて欲しい。
以下は、「私家版・ユダヤ文化論」の関連エントリーです。
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コメント
じょにーうぉーかーたちが、内田先生を消去しなかったよ。
投稿者 BlogPetのじょにーうぉーかー : 2006年09月26日 12:18
時間が経ってからのコメント、失礼します。
こんにちは。またまた面白そうな本を・・・。
読みたい本リストみたいなのを手帳に書き付けているのですが、shoulderさんの紹介本で半ページくらい埋まりそうです。
しかし、なかなか読書量が追いつかない。すでに積読状態な本の山ができあがって、さらに読みたい本が次々出てきて困っています。
どうやってそんな大量な本を読みこなしていらっしゃるんですか??
ユダヤとかイスラムとか、最近「海外経験も少ない日本人のお前にはわかるまい」みたいなことを言われて、カチンときたことがあったのですが、この記事を読んでなんだか腹の虫がおさまりました。
わからないというなら、それは何故わからないのか。私も考えてみようと思って本を読み漁ったりしていたのですが、うまく表現しきれずじまいで。
でも、ああそうだ、そういうことなんだって思いました。
なんだか煮え切らないコメントですが、ともかく自分の中でとても衝撃的な回答が得られた気がしたのでとりあえず書かせていただきました。
投稿者 でびっこ : 2006年09月28日 09:22
でびっこさん、いつもコメントどうも。
こんなエントリーで何かを得られた気がしてもらえるとはなんともなんともですが、そんなものかもしれません。
読書はどうなんでしょうかね。
あまりモノを知らないので、知りたいという欲求がいっぱい出てくるのかもしれません。かといって本を読んだから何かを知り得たといえるのかも微妙です。
ほんとは読むことだけではなく、読んだ本の内容についてじっくり考えることが必要なのですが、考えることより読むことを優先しているという点で、欲求に自堕落になっているのかもしれませんね。(自己分析)
投稿者 shoulder : 2006年09月28日 11:21
私家版・ユダヤ文化論


