| 2008年01月10日 |
東京のどこに住むのが幸せか
東京に限定した不動産を回帰分析を利用して調査した本である。
著者は、不動産コンサルティングなども行っている専門家。
まずは、以下のような文で危機感をあおる。
資産価値のあるマンションや一戸建ての定義を、勘違いしている人が多い。どんなに耐震性能が高くても、どんなに眺望がよくても、どんなにリビングが広くても、衰退することが運命づけられた街の住宅を買ってしまったら、すべては水の泡である。
著者の主張は、以下に集約されている。
不動産を買う前に、街を買わなければ、財産は泡と消える。もしも資産価値の高い不動産を探したいのなら「街選びが主であって、物件選びは従である」と考えなければならないのである。
高額所得者は、千代田区や港区といった過去、武家屋敷があった場所に住む傾向があり、麻布や広尾といった場所は、今後も資産安定の意味では間違いのないエリアと指摘している。しかしながら、多くの人にとってそういう場所にマンションを買うことは中古でも難しい。
そこで著者は、ごく普通のサラリーマンでも買えるという点で「明るい下町」を薦めている。
下町にも洗練されていく下町とそうでない下町があり、前者を「明るい下町」と著者は定義している。なぜ著者は「明るい下町」を勧めているのだろうか?それは、著者のメインの主張でもある「街選び」をした結果である。
「街選び」で重要なのが、過去と現在と未来である。現在と未来だけをみると、臨海部やニュータウンのように高層マンションがたくさん建ち、どんどん人口が増えてバラ色に見える街がよさそうと思えるが、著者はそれが間違っていると言う。なぜなら、急激に成長する街は、急激に衰退する。マンションを買った当初はバラ色に見えていた街が、ローンを払い終えた30年後にはゴーストタウンになり、周りにはスーパーマーケットも病院も娯楽施設も祭りもなくなる。
つまり、過去、現在、未来を考えた上で「街選び」を考えるべきだと指摘している。選ぶべき街とは、都市文明の歴史があり、地域の世代交代と代謝が循環している街であり、様々な階層が混在している街である。なぜなら、街はブルーカラーだけでも、ホワイトカラーだけでも衰退するからである。
著者は、東京から選んだ55エリアごとに80㎡の中古のファミリータイプマンションの価格と今後について記述している。とても参考になる。
それぞれのエリアの格付けと今後については本書を読んで頂きたい。
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